東京ガス変革



会社を根本的に変革しなければ競争に勝てない!

「とにかく会社を変えなくてはいけません。これまでもマーケット・インの考え方にもとづいて会社を変えて来ましたが、21世紀に生き残っていくためには、抜本的に会社を変える必要があるのです。
とくに問題になっている『規制緩和』の問題--これによって、会社を取り巻く環境は大きく変わっていきます。
競争も激しくなるでしょう。これに負けないようにするには、みずから従来の考え方を変え、根本から仕事を再構築していく必要があるのです」
 こう語るのは、東京ガスの安西邦夫社長である。

東京ガスに限らず、ガスや電力などの公益事業は、いままでとは全く違った環境に立たされている。
いってみれば、これまでは地域独占ということで競争らしい競争もしなくてよかった。ところが、いまや公益事業を取り巻く環境が一変してしまったのだ。
経済の国際化によって、我が国独特の慣習というか、慣行が海外諸国から批判され、すべての基準を海外諸国と同じように再構築しなくてはいけなくなったのである。
その一つが政府の『規制緩和』である。公益事業の規制も緩和され、まだ部分的ではあるが、電力とガスの事業分野に、一定の資格条件さえそろっていれば、新規企業が自由に参入できるようになったのだ。
部分自由化で『自由競争』ができるようになったのである。
 戦後、現在の電力、ガス事業体制が確立されて以来、実にほぼ半世紀ぶりの自由競争である。電力会社やガス会社にとっては、いわば『初体験』ということになる。

この『初体験』を前に、ガス会社と電力会社の経営者たちは緊張して、あらゆる知恵をしぼって、社員たちに『会社を変えよう』という意識を持たせる改革に乗り出したのである。
従来とまったく違った発想で事業を再構築し、生き残ろうとしているのだ。
 アメリカの経営コンサルタントであるダニエル・モーリス、ジョエル・ブランドン氏の『RE-ENGINEERING YOUR BUSINESS』の中にも次のようなことが述べられている。

『ビジネスプロセスのリエンジニアリングには2つの難しい問題がある。一つは、プロジェクトの規模が大きすぎるとその管理が大変難しくなってしまうことである。
この管理そのものが企業の運命さえ握ってしまう可能性がある2つ目はエンジニアリングは短時間で競争優位を獲得できると思われがちであるということである
このような問題に対しては、リエンジニアリングの基本を忠実に実践することが重要となる。企業全体を大きなプロジェクト活動によりリストラするのではなく、一連の小さなプロジェクト活動を実践することにより企業全体を変えるのである。
これは、企業のリスクを減少させ、利益獲得の機会を組織に実現し、競争や政治規制、変化する事業環境に対して迅速な対応を可能にする』

従来のしがらみをすべて捨てよう
プロセス・チーム確立へ



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UPDATE 2009/10/05



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